訴額算定

さがみ法務事務所
     

1 訴額算定についての原則

 
  1. 勝訴によって原告の受ける利益を基準とする。

  2. 訴の変更によって原告の受ける利益に変更をきたすときは、変更時の訴額を算定し差額を追納する。

  3. 一の訴で数個の請求をするときは、各利益を合算する(合算主義の原則)。

  4. 経済的利益の同一である訴(例:主債務者と保証人を共同被告とする賃金請求、同一手形上の債務を数人に請求する場合等)は合算しない。

  5. 付帯請求(例:元本とともに利息・損害金請求、家屋明渡とともにする延滞賃料等)は合算しない。

  6. 本訴と目的を同じくする反訴については、本訴の限度において訴額に対する手数料は免除される。

  7. 訴額算定不能の場合、非財産権上の訴は160万円とみなされる。

  8. 一の訴で非財産上の訴とその原因事実から生ずる財産権上の訴えを併合するときは額の多い訴の利益を基準とする。

 

2 訴額算定表

(注) 以下「目的物の価額」とは、次の価額をいう

不 動 産

固定資産税評価額
 但し、土地を目的とする訴訟・調停及び借地非訟事件の訴訟物の価格の算定基準については、受付事務の取扱いとしては、平成6年4月1日より当分の間、固定資産税評価額に2分の1を乗じて得た金額を基準とする

その他の物 

取引価格

 
事件(訴訟物)
訴額
給付の訴え
確定債権の請求
請求額
 但し、将来の給付請求権は、中間利息を控除した金額
不動産の明渡し
所有権、地上権、永小作権、賃借権、使用借権契約関係の終了によるときは目的物の価額の1/2
占有権に基づく場合は目的物の価額の1/3
動産の引渡し

同上

有価証券の引渡し
証券が表彰する権利の価額
証拠証券の引渡し
再発行手数料
(登記済証は保証書作成料、車検証は再発行手数料)
委任状等の引渡し

所有権、契約関係の終了によるときは証券上に表示された権利の価額の1/2

占有権に基づく場合は証券上に表示された権利の価額の1/3
証拠証券以外の文書の引渡し
所有権に基づくときは文書の価額の1/2
占有権に基づくときは文書の価額の1/3
作為・不作為を求める訴 主張利益の金額(例:謝罪広告の訴は掲載料金、工作物の撤去は前記の引渡請求権の基準額)
確認の訴え
所有権
目的物の価額
占有権
目的物の価額の1/3
地上権
目的物の価額の1/2
賃借権
目的物の価額の1/2
地役権
目的物の価額の1/2
担保物権
被担保債権の価額
 但し、目的物の価額が被担保債権額に満たないときは、これを疎明して、目的物の価額
債務不存在
債務を明示したときは債務額
債務を明示しないときは160万円
賃料増(減)額
(1ヶ月あたりの賃料の差額)×(増(減)額の始期から訴え提起までの期間+12ヶ月)
 但し、目的不動産の価額の1/2の額の方が低額であることを疎明したときは、その額
形成の訴え
共有物分割
分割前の目的物の原告持分の価額の1/3
境界確定
係争地域の目的物の価額
法定地上権の地代確定
原告主張の月額地代×(法定地上権成立の日から訴え提起までの期間+12ヶ月)
短期賃借権の排除
目的物の価額の1/2
詐害行為取消
原告が有する債権額
登記手続関係
所有権移転
目的物の価額
抹消に代わる所有権移転
目的物の価額の1/2
地上権の設定、移転
目的物の価額の1/2
賃借権の設定、移転
目的物の価額の1/2
地役権の設定
承役地の価額の1/3又は要役地の価額の1/3のいずれか低額
担保物権の設定、移転
被担保債権の価額
 但し、目的物の価額が被担保債権額に満たないときは、目的物の価額
仮登記に基づく本登記

所有権は目的物の価額の1/2

担保権は目的物の価額の1/2又は被担保債権額の1/2のいずれか低額
本登記手続の承諾請求
目的物の価額の1/2
抹消登記請求
目的物の価額の1/2
地役権設定登記の抹消
承役地の価額の1/3又は要役地の価額の1/3のいずれか低額
担保物権設定登記、又は移転登記の抹消
担保権は目的物の価額の1/2又は被担保債権額の1/2のいずれか低額
担保物権設定仮登記の抹消
担保権は目的物の価額の1/2又は被担保債権額の1/2のいずれか低額
抹消回復
回復を求める登記についてその抹消を求める訴えと同じ
親族相続関係
離婚・婚姻の無効又は取消
160万円
離縁・養子縁組の無効又は取消
160万円
認知、親子関係不存在確認
160万円
離婚、離縁、認知等の訴えに併合された損害賠償(慰謝料)請求
160万円と比較して高額な方
商事関係
会社設立無効、株主総会決議の取消又は無効確認
160万円
数個の決議について,取消又は無効確認を求める場合、各決議ごとに160万円
取締役の地位にあること又はないことの確認
160万円
代表訴訟
160万円
取締役等の違法行為差止
160万円
株主権又は株主たる地位の確認
原告が保有する株式の価額
労働関係
解雇無効確認、従業員の地位確認、雇用関係存続確認
160万円
出勤停止無効確認
160万円
減給無効確認
減給額
業務命令の無効確認
160万円
強制執行関係
請求異議の訴 債務名義に表示された金額
第三者異議の訴 差し押さえられた目的物の価額の1/2
執行文付与の訴 債務名義に表示された金額の1/2又は前記の引渡請求権の1/2
執行文付与の異議の訴
行政関係 行政処分取消の訴 主張利益の金額
金額が不明確なときは160万円

 



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