内縁の夫の死亡と
借家の明け渡し

内縁の夫が死亡した場合、今まで住んでいた借家から出で行かなければなりませんか？

内縁の夫に法律上の相続人がいるかどうかを分けて考えます。

１．内縁の夫が死亡した場合で、その夫に法律上の妻などの相続人がいるときは、その人が相続人となり、借家権も相続されてしまいます。したがって、内縁の妻は、家主からの明渡請求に対して、借家権を主張してこれを拒むことは出来ないことになります。
　しかし、夫の相続人が相続した借家権を、内縁の妻が援用することによって、家主の明渡請求を、拒むことが出来るとされてます。
　またこのとき、夫の法律上の妻が自分の借家権を主張して、内縁の妻に対して、借家から出ていくように要求することは、法律上の妻に特に借家を使う必要がないときは、権利の濫用として認められないことになるでしょう。

２．また、内縁の夫に法律上の妻など相続人がいない場合には、内縁の妻は、借家権を承継することが出来ます（借地借家法３６条１項）。

この場合も、夫に相続人がいるかどうかで分けて考えます。

１．内縁の夫に相続人がいる場合は、上と同じです。

２．内縁の夫に法律上の妻など相続人がいない場合には、借地借家法に上のような規定がありません。

　この場合は、相続人がいない場合の一般的な処理手続きになります。

神奈川県相模原市中央区相生１−１１−７
ＭＢＣビル１０１